憧れ

窓を開ければ遠くで川の流れる音がしてくる田舎に僕は住んでいて、この市内を出ることは僕はほとんどありません。食料品の調達と図書館に資料を探しに行くくらいしかしないからです。 ですので、たまに都会というものに憧れを感じる時があります。 大学生の…

身体には気をつけてくださいね

スランプだと思っていました。4年前に原稿用紙368枚の小説を書いてから、ずっと長編小説が書けませんでした。大体、30~40枚で筆が止まり、その先へ進むことが出来ずにいました。自分の好きな作家の本を何度も読み返したり、その作家に関する資料を…

返事がない

先日、某掲示板に「小説を書いたから読んでほしい」との投稿があり、名乗り出てみました。 読んでみると、ストーリーは、なんてことないラブコメで、人気コミックの2次創作でしたが、表現力がすごかった。僕なんか、足元にも及ばないくらいでした。 その2次…

本屋で働くと

以前、本屋で働いていました。このブログでも、その体験をもじった、極々みじかい話を書きました。今回、また本屋の話をしようと思います。 本屋の仕事は、見た目より、かなりハードです。 ツンと澄ましてカウンターの中に立っている。書店員に対して、この…

世間

最近よく思うことなのですが、というか最近になってようやく思うようになったのですが、「世間」というものを少し意識するようになりました。 僕は、つい最近まで、人と話していたりする際に 「?」 と思う時がたくさんありました。 相手の反応に違和感を覚…

スランプ

文章を書くことを長い間していると、ある日、突然、何も書けなくなる日が来ます。 僕の場合だけかもしれませんが、きっと、物書きをしている、もっと言えば本気で物書きをしている人は、ある日突然何も書けなくなるのを経験しているのではないでしょうか。 …

先生

人間世界で生きていくために必要になってくるのは、距離感だと思います。どの人と、どのくらいの距離を置いて付き合うか?これはおそらく後天的に備わるものでしょう。 しかし、 「人とは距離を置いて付き合いましょう」 と、学校ではそう教えてはくれません…

底流

人間の心の奥底に流れているのは、「否定」ではないでしょうか。 どんなに仲の良い友達でも、血を分けた兄弟でも、心の奥底では相手を否定しているものです。 そうでしょう? だって、僕のこの意見に、あなたは否定的感情を持っているはずですから。 つまり…

前夜

夕方、霧のような細かい雨が上がる。 雲の切れ間から夕陽が差すと、何かが起こりそうな感じがする。 新しい何か。 それを指す、生まれてはじめての言葉。 全身の皮膚が、ざわつく。 坂道を学校帰りの子供たちが駆け上ってくる。 僕の脇を駆け抜けて行った。 …

市街戦のロックスター

人間の本質を探ろうとすると、直後にやってくるものがある。 ジレンマ、だ。 自由でありたい、と願う一方で、属していたい、という願望が湧く。 ありのままで居たいという場合もそうだ。次の瞬間には、価値尺度に自分を当てはめてしまう。 極端に突き詰めて…

「本当の事なんて、誰も知りたくないんですよ」 この言葉は、僕が大学受験の為に予備校に通っていたとき、ある女子学生から言われた言葉だ。 この言葉が携帯に送られてくるまでのやり取りは、紆余曲折したが、要は、最高学府を受験しようとしている男子学生…

without スマホ

ウィズコロナ時代の、その先の風景を見ました。「without スマホ」です。 先日、スマートフォンを買い替えたのですが、買って一か月も経たないうちに不具合が起きました。メーカーに問い合わせ、二度も修理に出したのですが、「異常無し」とされ返ってきまし…

熊が出るぞー。

何を書こうかなーと、一か月考えていましたが、特別書きたいものが無いのでそのまま放っておくことにします。 今回は、あまり深く掘り下げずに書いていこうと思っています。別に、誰かに向かって書いているわけでもないので、何の断りも前置きもする必要はそ…

ある書店員の一日 その三

37歳のフリーターは、実際、かなり使える奴だった。 僕の勤める書店のレジは2台に分かれていて、その分、他の小売業のレジよりも複雑なのだが、彼(以下『T』とする)は3日でレジまわりの仕事をほとんど覚えてしまったし、朝の新刊の開梱と陳列の作業も…

アタマ(の中で)の会話

「ええ、否定はしませんよ。あなたはあなたの考え方がありますからね。考え方のもとにはその人の人生、その人の歴史がありますから、はい。それは中々否定できるものでは無い。わかります、わかりますよ」 「はい?あなたに伝えるような意見は無い?なるほど…

嫌だったら読まなきゃいい(「下書き」に残ってました)

これだけ情報があふれている世の中なので、嫌だと思う記事は読まなくていいと思います。「それだと偏った情報しか入ってこないじゃないか。どーしてくれるんだ!」とお怒りの方が結構いらっしゃいますが、「そう思うなら、『嫌だと思う記事は読まなくていい…

娯楽はあくまでも娯楽

小説をもう5カ月以上、書いていません。大好きな佐藤泰志の小説も、もうしばらく読んでいません。 緊急事態だからです。 政府がオリンピックを強行した為、デルタ株のまん延が、ワクチンの普及するスピードを遥かに超えてしまいました。 G7で総理がオリン…

警察沙汰にすべきだった

一つ前の記事で書いた、中学時代の担任の先生ですが、出世して校長になったのですが、その学校で生徒がいじめを苦に自殺しました。この事件は大きな問題と捉えられ、ニュースで大々的に報道されました。 というのも、その生徒は自殺する前に担任の先生に何度…

嫌だ

ポップなものが嫌です。 例えば、インスタ映え。 先日、近所のモーニングで有名な喫茶店を通りがかった時、その喫茶店の看板の前で、モーニングに付いてきた、一斤の食パンを片手に写真を撮るカップルを見た時、吐きそうになりました。女の人が、したり顔で…

佐藤泰志

佐藤泰志という物故作家がいるのをご存じでしょうか? 芥川賞に5回ノミネートされながらも落選し、失意のうちに41歳の若さで自死した作家なのですが、近年、その作品が再評価され、何本も映画化されています。今秋も「草の響き」という映画が公開予定です…

秒針

言葉というものの切れ味というのは、相当なものです。 五感、あるいは第六感で感じたもの全てを、ただ一つのもの以外残して、すべて捨て去るという特性を持っているからです。 人が何か言葉を発する時、それは起こります。 その言葉で表現されたもの以外は、…

変態と冷静と均衡

自分が『変態』だと認める人は少ないでしょう。僕が知っている文学者の中でも、自分が『きちんとした変態』だと認めているのは澁澤龍彦くらいです。 僕は、人間みな、平等に変態性を兼ね備えていると思っています。 誰もが、『狂気』に駆られる瞬間というの…

距離

「人とうまくやっていくには、『距離感』が大事」 と、大学卒業直前、「お前は人付き合いが下手だったな」という意味を肚に含んだかのように、大衆居酒屋で同じゼミだった人間にそう言われた時の情景が、今でもありありと思い浮かべられます。 人とうまくや…

その蛇、自らの尾を飲む

小学生のころ、父にこう尋ねたことがあります。 「どうして物に利益をつけて売るの?みんなが物に利益をつけないで渡し合えば、買えなくて困る人はいなくなるじゃない」 父は、こう答えました。 「世の中は、そうやって回るものなんだから、そんなことは考え…

遠くにボールを投げる

肩書きとか、収入とか、そういうものにあまり興味が無くなって、15年くらい経ちます。 もう15年か、と思う時もあれば、やっと15年か、と思うときもあります。もちろん、こうやってブログを書いている時点でホームレスではないので、僅かながら収入を得…

ある書店員の一日 その二

店長以下、社員は、僕と、長年のアルバイトから社員になった田中さんの3人だけだ。他はパートのおばさんが2人と学生アルバイトが数名で、あとは、どこかの会社を定年退職してきた川端さんが週に3日、返品する本の箱詰めを3時間だけ手伝いに来る。 そこに…

許してちょ

10代後半から30代前半くらいまでの間、僕は強い憤りを感じながら生きてきたように思います。親子や家族間の関係や、友人・知人、人生の先輩・後輩、仕事関係の人達など、自分の周りの人間関係や、新聞やテレビのニュースで知る政治・経済・宗教などの問…

き、き、消えた!

2時間以上かかって書いた記事が、公開しようとしたら、消えました。 マックのフリーWi-Fiは60分間までしか接続できないことを忘れてました。 いやー、参った。今日は書き直す気力無いです。 もー。

ある書店員の一日

朝5時50分に起き、7時のバスに乗って出勤する。 就業開始時刻は8時からだが、それではとても開店までの作業が終わらないので、7時半から作業を始める。その為には、この時刻のバスに乗るしかない。 まず、毎朝、カゴ車2台分の新刊と雑誌を1階からエ…

苦しみの中にしか幸せは無い

苦しみが最初にあります。苦しんだ体験があるからこそ、幸せだと感じることができるのです。赤ん坊がおぎゃあと産声をあげこの世に生まれて来る、肺呼吸に切り替わる、その瞬間の苦しみは、人生の中でも最も苦しいのだと、昔読んだ科学雑誌に書いてありまし…