薄口小説作法①

良い小説を書こうと、毎日朝から晩まで考えているのですが、なかなか上手く行きません。というか、そもそもこれまで自分で納得できる小説を書いた事がありません。そして、僕の書くペースがとても遅いということも大きな問題です。

 

あらゆる芸術は模倣である。

 

そのようなことを耳にしたことがあります。

僕も最近、それを認めざるを得ないと思うようになりました。小説を書いている時、あたまに思い浮かぶのは、自分が感銘を受けた小説のストーリーで、どうにかそれを真似しないで、もしくは真似だと悟られないように書き進める、そんな風に小説を書いているというのが実態です。おそらく、それは小説を書こうとする人なら一度は陥ってしまうものだと思います。

 

盗作になりやしないか?

 

影響を受けることと、模倣することの境界線というのがどこにあるのか、僕にはよく分かりません。ただ、いま書いている小説の巻末には参考文献として、いくつかの小説のタイトルを記しておこうと思っています。それがあるか無いかで、随分ちがうと聞いたことがあります。

 

最近の僕の書くブログの記事は切れ味が悪くなったなとお感じの方もいらっしゃるでしょう。書いている自分でもよく分かっています。以前ほど、突き詰めて物事を考えることが出来なくなってきている気がします。「言い切らない」ということを意識するようになったのも、その要因の一つかもしれません。

短編小説を書くなら、物事を突き詰めて考えて行って、言い切ってしまっても、ボリュームが少なくて良いので成り立つのですが、長編となると全くアプローチの仕方が変わります。ほとんど、あてもなく海を漂流しているのと何も変わらない、そんな感覚で書くことになります。書いている自分も、当初のプロット通りに進まず、やきもきしたり、不安や焦燥感に駆られるようになります。

 

(つづくかも)