文字と音符

最近、ギターを弾いてばかりいます。正確に計ってはいませんが、一日4~5時間は弾いていると思います。ギターを習いなおすようになって一年が経とうとしていますが、家で練習する時間はどんどん増えていっています。

 

明らかに本業を圧迫しています。

僕の本業は小説を書くことです。

 

一年前から、数十ページしか進んでいません。本当に小説家を目指す人間としては危険水域に入っています。結局、楽しい方、楽な方に流されてしまっているのだと思います。

 

ただ、ギターを習いなおし始めた動機は、小説を書くためでした。小説に音楽という刺激を与えるために。しかし今ではギターが上手くなりたいからギターを弾いています。すっかり音楽の世界に引きずり込まれてしまいました。

 

小説と音楽に親和性はあるか?と訊かれたら、僕は「ある」と答えます。それは多くの小説家が作品の中に音楽を取り入れていることからも明らかだと思います。また逆に、音楽家が小説からヒントを得て音楽を作るという話も聞いたことがあります。

 

しかし、小説を書くときに、どっぷりと音楽に浸ってしまったらアウトだと思います。やはり小説は小説、音楽は音楽なのです。小説が音符で出来ていないのと同様に音楽も文字で出来てはいないのです。

刺激を受けるのは良いことだと思いますが、小説が書けなくなるほど音楽にのめり込むは間違いなのです。

 

一年ののち、やっとこれに気づきました。

 

ちなみに『一年ののち』という小説があります。フランソワーズ・サガンが書いたものです。

今では絶版になっています。気になる方は、古本屋さんかフリマアプリなどで入手してみてください。