秋、ハイキング、ねずみ講

ハイキングが趣味の一つなのですが、どうやら今年の秋は短いようで、その機会も少なくなるみたいです。

基本、僕はひとりでハイキングをします。以前、ネットの掲示板で知り合った人とハイキングに行ったことがあるのですが、会って早々、

「一緒にビジネスをやりませんか」

と言われ、山を登って下りてくるまでの2時間、その勧誘を断り続ける、という体験をしました。ある意味、記憶に残るハイキングでした。

 

ハイキングの最中は、ひとり、自分の中の沈黙に向かって歩き続ける、といった感じで黙々と歩きます。奥へ奥へ、深く深く。

「こんにちは」

と、通りすがりの登山客が声をかけてくれた時、はっ、と顔をあげて挨拶を返します。そしてまたひとり、深く深く、自分の中へ潜って行きます。

 

頂上に到着しても、僕は5分とおらず、すぐに下山します。たしかに頂上からの眺めは良いのですが、それよりも下山するときの道の方に僕は興味がわきます。

登ってきた道を逆になぞるだけなのですが、風景は全く違います。こんなところに分岐点があったかな、とか、こんなに石がゴロゴロして歩きづらかったかな、とか。

登りは意識が自分の中へと向かっていく感じですが、下りは周りに向かっている、とでも言いましょうか。

 

ハイキングの魅力は中々、うまく言い表せませんが、ひとり、もしくは本当に気の合う仲間とだけ行くのがお勧めです。

じゃないと妙なビジネスの片棒を担がせられかねません。

意外とリスクのある趣味ですよ、ハイキングは。